その他のマルチ

学生ローンとマルチ商法はとかく関連性が議論されるケースが多い。
実際は学生ローンは全く関与しておらず、むしろ警戒すらしているのだが、世間では誤った見方をする人も少なくはない。
というのも、マルチ商法・ネットワークビジネスの資金を学生ローンで調達するケースは、昔から絶えず続いており、切っても切れない相互関係がある為だ。

●ウイーズインターナショナルマルチ事件
具体的な例として、古くはウィーズ・インターナショナルという化粧品販売のマルチ商法が大流行したことがある。
福岡県に本社を構える会社であったが、度重なるクレームの末、業務停止命令が下された。
このビジネスは典型的なマルチ商法で、人を紹介することによって利益が得られるというものであった。
しかし、ビジネスをはじめるにあたり、事前に大量の商品を購入する必要があり問題視されていた。
クーリングオフに応じていればまだ良かったのだろうが、この会社はクーリングオフにも応じず、未成年者まで巻き込んでいたことが大きな問題となった。
学生ローンの会社も当然これは危険なケースであるという認識は持っており、警戒感は強めていたものの、ウイーズインターナショナル関連のお客なのか、それとも全うなお客なのかの判断がつかず、結局ウイーズ関連のお客にも大量の融資を実行してしまったという経緯がある。
 
●スカイビズマルチ事件
スカイビズは2001年に大流行したネットワークビジネスで、過去最大規模のマルチ商法ではなかったかと記憶している。
特に未成年が多く、未成年取り消しが流行ったのもこの頃である。
スカイビズは当時まだ駆け出しのインターネットを利用したビジネスで、ホームページ作成キッドの販売を行っていた。
一応、商品としての実態はあるものの、実態は紹介料目的の完全なマルチ商法であった。
このビジネスの問題点は、ビジネスをやろうとする者の多くが未成年であり、しかも内容を全く理解しないまま、学生ローンでお金を借りていたことである。
しかも、クーリングオフにすら受け付けず、消費者センター等への苦情もマルチ商法としては最大規模ではなかったかと今では思うほどだ。
学生ローンにおいて、一日あたりの新規客数、月間新規客数の記録はこの時期に最大記録をマークしている。
最近の高額化したマルチ商法と比較すると、費用は16万円とさほど高額ではないものの、被害にあった人数はおそらく過去最大規模であったと推測する。