投資の為のDVD購入
学生を狙った投資セミナーで、56万円もの多額な費用を支払い、DVDを購入させられたという被害が相次いでいる。
ある学生の話によれば、ラインで知り合った面識もない男性から儲け話の話を持ちかけられたという。
はじめはたわいもない話で盛り上がり、次第に相手は裕福な生活をしている様子を自慢げに話していたという。
車は高級外車、高級ブランドのスーツに身を包み、食事はいつも高級レストランで外食しているとのことだ。
この怪しげな男、実は学生だという。
なぜ学生でそのようなリッチな生活ができるのか?
この疑問こそが、学生を騙す巧妙な手口の第一歩だ。
ここからビジネスの話を持ち出し、学生に興味を持たせる。
はじめのうちは儲かる話しかしない。
初期投資にいくらかかるとか、誰かを紹介しろといった面倒な話は一切しないのだ。
実は、この説明責任を果たしていないところが問題で、マルチ商法は損をする可能性がある事をきちんと説明する事が義務付けられており、これがなされていない場合は犯罪行為となる。
マルチ商法の一番の問題点は、ここなのだ。
この説明責任さえきちんと果たしていれば、法的には問題ないのだが、それをすればカモを取り逃がす事になるので、彼らはそれをやらない。
では、彼らの超優雅な生活ぶりは本物なのだろうか?
もちろん、これは口からの出まかせである。
高級外車も乗っていないし、高級レストランなど行っていない。
スーツは相手を信用させる為、最低限必要なものなので、これは本物かもしれない。
が、それ以外は全てウソである。
彼らの大半もまた、被害者であり加害者なのである。
おそらく借金も相当残っているのだろう。
●このビジネスの本質
このビジネスの本質は、友人などを紹介させて紹介料10万円をゲットすることが本当の目的である。
これは完全に実態のないビジネスとなり、ネズミ講さえ疑われる案件となる。
ビジネスをする上で、実際の商品や情報など、その対価に見合うものが取引されていない場合、そのビジネスはねずみ講となる。
マルチ商法は条件さえ満たしていれば合法だが、ネズミ講は完全な犯罪行為となる。
そこでDVDが登場するのだろうが、これは法律の抜け穴をかいくぐる為の手口と考えられる。
また、投資に関するセミナーも実際に開催されているようで、これもネズミ講回避の材料となる。
DVD・セミナーと一応商品は存在するので、ネズミ講の立証は難しいが、56万円という価値があるのかどうかが問題となるところだ。
実際のビジネスの中身は、限りなくネズミ講に近い。これが本質ではなかろうか。
●広まる注意喚起
この問題は、各方面で取り上げられ、注意を呼びかける声が日増しに増え続けている。
国民消費生活センターのホームページでもこの問題を取り上げているし、NHKでも放送された。
また、各大学のホームページなどでもこの問題に対する注意喚起のページを掲載している。